契約不適合責任(瑕疵担保責任)について⑥

前回に引き続き、契約不適合責任が発生した場合、買主が売主へ請求できる権利についてご紹介したいと思います。

今回は、契約解除権についてご説明します。

契約解除権とは、民法第564条第1項「(前略)第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない」と民法第541条「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」において定められている権利のことです。

そのため、買主は契約不適合があった時に、売主側へ履行の追完を催告したにも関わらず、一定期間内に売主が履行の着手を行わない場合、契約を強制的に解除することが出来ます。

また、民法第542条第1項において「次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる」と定められています。

この条件とは、以下の5つです。

①債務の全部の履行が不能であるとき。

②債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

③債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

④契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。

⑤前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

上記の内容に該当する場合、買主は、売買契約を解除することが出来ます。

しかし、契約不適合の程度が契約内容や社会通念に照らし合わせて、軽微ではなく、かつ売主が履行の追完を拒否した場合や履行の追完が不能である場合などに限られます。

全ての契約不適合で契約解除権が適用される訳ではありませんので、注意が必要です。

次回も引き続き、契約不適合責任の期間や免責の特約についてご紹介したいと思います。

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マルタ不動産 髙木