近年、洋風スタイルの住居が多くなってきていますが、畳は、日本古来の床材で今でも多くの住居で使われています。
畳にも、FLなどと同様に年数が経てば、それなりに経年劣化がおこり、メンテナンスや交換が必要になってきます。しかし、どのようなタイミングで行えばよいかわからないと思います。そこで今回はどのようなタイミングでどうメンテナンスをすればよいかを説明していきたいと思います。
まず、畳のメンテナンスを行う上で畳の構造を知っておく必要があります。
畳は、畳床(たたみどこ)と呼ばれるボード状の芯にイ草などの繊維で織った畳表(たたみおもて)をかぶせ、長いほうのふちを畳縁(たたみべり)という布を縫いつけてつくられています。以前は畳床には圧縮した藁が使われていましたが、現代では再生繊維などのボードも用いられます。また、最近では畳縁のない畳も多く見られます。
では本題の畳のメンテナンスについてですが、大きく分けて3種類の方法があります。
まず「裏返し」と呼ばれるものです。これは、畳床から畳表をはずして、裏返してつかう方法になります。畳表は通常両面使用できるので、裏返して張り替えるだけで、新品のような状態になります。目安としては、畳を新しくして2,3年がベストです。
次に「表替え」と呼ばれるものです。これは、畳床はそのままにして畳表と畳縁を新しく交換する方法になります。表面のイ草がまったく新しいものになるので、新品のときのような畳の香りが広がりますし、湿気を適度に吸い込んでくれるイ草の効果も復活するので、和室が快適な空間になります。裏返しをしてから4年以上経った畳や、裏返しをしていない状態で6年以上経っているとき行うのがベストです。
最後に「新調」と呼ばれるものです。これは、文字の通り畳すべてを新しく作り直すという方法になります。「裏返し」や「表替え」は、どちらかというと表面のメンテナンスになってしまう為、長年使っていることでのきしみであったり、へこみであったりといたところは直りません。このようなことが気になる場合は「新調」する方法をおすすめします。目安としては、前回の新調から15年程で行うのがベストです。
これまで上げた時期的な基準だけではなく・畳表が変色してきたり、イ草の切れはしが衣類についたり、畳表に湿り気がありカビのニオイがしたりといった変化があれば、何かしらのメンテナンスをする必要があると思われます。