容積率の緩和について

前回に引き続き、今回は容積率の緩和についてご紹介したいと思います。

原則、都市計画で定められる容積率の限度もしくは、前面道路が12m未満の場合に規制される容積率の範囲でしか建物を建築することが出来ませんが、一定の条件を満たしていると、容積率を緩和することができます。

1つ目の緩和は、建物内に地階(地下室)がある場合です。

天井が地盤面からの1m以下にある地下室は、建物の延べ面積の3分の1までは、容積率を計算する際の延べ面積には算入しないものとされます。

2つ目は、建物内に駐車場がある場合です。

ガレージ(車庫)が建物の1階部分にあるビルトインガレージの場合は、建物の延べ面積の5分の1までは、容積率を計算する際の延べ面積には算入しないものとされます。

3つ目は、ロフトを含む小屋裏収納がある場合です。

天井の高さが1.4m以下までの小屋裏収納(ロフトなど)の床面積は、直下の階の床面積の2分の1を限度に容積率を計算する際の延べ面積には算入しないものとされます。

しかし、小屋裏(ロフト)の用途は収納に限られます。また、自治体によっては固定階段があるものは不可となる場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。

4つ目は、特定道路(幅員15m以上の道路)の場合です。

幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する幅員が6m以上12m未満の前面道路のうち当該特定道路からの延長が70m以内の土地については、その距離に応じて容積率を加算できる特例措置があります。距離は、建物敷地から特定道路に最も近い距離を計測します。この特例があることで、広い道路に接する土地と比べて、そこから分岐している道路に接する土地の容積率が急激に減る事を防ぎます。計算式は以下の通りです。

例えば、指定容積率が600%の商業地域で特定道路までの距離が28mで前面道路が6m、係数が0.6の地域があるとすると、加算値は(12-6)×(70-28)÷70=3.6となるため、特例措置の容積率は、(6+3.6)×0.6×100%=576%となります。

前回ご紹介した前面道路幅員が12m未満の場合の容積率(6×60=360%)と比べると216%増えていることがわかります。

容積率は既にお持ちの不動産でしたら、重要事項説明書に記載がありますので、ご興味がありましたら、是非確認してみてください。

また、不動産のご相談などありましたら、マルタ不動産をよろしくお願い致します。

e-Gov 法令検索|建築基準法

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201/20250601_504AC0000000068#MpCh_3-Se_4-At_53

マルタ不動産 髙木