契約不適合責任(瑕疵担保責任)について③

前回に引き続き、瑕疵についてご紹介したいと思います。今回は、心理的瑕疵と環境的瑕疵についてご説明します。

まず、心理的瑕疵とは、構造や設備などの面には問題が無いものの、住む人に心理的な抵抗や嫌悪感を与える事由がある状態のことを言います。

具体的には、一般的に「事故物件」と呼ばれるような過去に自殺や殺人、火災、忌まわしい事件や事故などがあった不動産が当てはまります。

自然死の場合は、原則として心理的瑕疵に該当しませんが、特殊清掃が必要となるほどの一定期間放置された孤独死の場合は、心理的瑕疵に含まれます。

次に、環境的瑕疵とは、心理的瑕疵のように不動産そのものに欠陥はないものの、現在の周辺環境に問題がある状態のことを言います。

具体的には、土地や建物の近くに嫌悪施設がある物件などが該当します。

嫌悪施設とは、近隣の住民から建設を嫌がられてしまうような施設のことです。

例えば、騒音や悪臭、大気汚染、水質汚濁などを発生させる工場や処理場などの公害発生の恐れのある施設、刑務所や火葬場、墓地、下水処理場、ごみ焼却場などの不快感を与える恐れのある施設、ガソリンスタンドや原子力関連施設、大規模変電所、高圧線鉄塔などの危機感を与える恐れのある施設、パチンコ店や風俗店などの風紀を乱す恐れのある施設、廃墟などの地域のイメージを低下させる恐れのある施設が該当する可能性があります。

 

心理的瑕疵や環境的瑕疵は、今までご紹介した瑕疵とは違い、不動産自体には問題が無いけれど、住環境が心地よいかどうか、買主や借主それぞれの基準となるため、どの要素が瑕疵に該当するのか判断基準は曖昧となります。

特に環境的瑕疵は、上記の内容には該当しない学校もお子さんがいらっしゃるご家庭なら学校が近くて安心となりますが、運動場の砂ぼこりや子どもの声、チャイムの音などで不快な思いをする事も考えられます。

そのため、不動産だけでなく、不動産の周辺環境の情報収集することはとても大切になります。

次回は、契約不適合責任が発生した際に買主が請求できる権利についてご紹介したいと思います。

不動産のご相談などありましたら、マルタ不動産をよろしくお願い致します。

 

マルタ不動産 髙木